オフィスでの大敵は騒音。騒音は、人間の集中力を低下させますが、無音状態もかえって不快なもの。ほどよい音響状態を保つことが大事です。
また、応接室や会議室というと、たいてい壁に囲まれた閉鎖的なレイアウトですが、大きな会社になるほど、「会議ばかりしているので、上層部の顔がぜんぜん見えない」という声も社員間にあるようです。
コミュニケーション対策にも、ガラスを主体にしたパーテーションの利用で、開放的な雰囲気を重視するオフィスが増えています。
一般的な防音対策には、吸音・遮音・マスキングなどの方法があります。吸音には、床にカーペットを敷く、レイアウトに合わせてクロス貼りのローパーティションを立てるなどの方法があります。
レイアウトを工夫した遮音対策としては、防音性の高い密閉タイプの間仕切りを立てるのが一般的ですが、マスキングとは、BGMや有線放送などの音楽によって、話し声や機械音を打ち消す方法です。また、音楽ではなく空調音のような雑音を、天井裏に3~5メートル間隔で設置したスピーカーから出力させる「サウンドマスキング」というシステムもあります。オフィスレイアウトを損なうことなく、隣の部屋の話し声が全部聞こえてしまうというような音響の問題が解決できます。
レイアウトしやすいガラスパーテーションには遮音性がありますが吸音性に乏しく、ガラスパーテーションで囲んだ内部では音が室内に反射してしまい、かえって音が大きくなるという欠点があります。にもかかわらず、エントランスや会議室にガラスを主体としたパーテーションが採用されるのは、デザイン性や開放的な雰囲気のレイアウトが求められるからです。
天井から床までを4分割して、最上段と最下段を透明ガラスにする間仕切りのレイアウト事例がよく見受けられます。最上段のガラスには照明を拡散させる効果が、最下段のガラスには部屋を広く見せる効果があります。外部からの視線が直接ぶつからないように、中央の2段のパネルは半透明のフィルムシートを貼るかスチールパネルを使います。
ガラスを主体としたレイアウトの間仕切りは、視線をさえぎりながら光を透過させることができるといった、採光性の高さというメリットがあるのです。
また、同じ会社内なのに、立場によっては会議ばかりでほとんど何をしているのかも知らないという場合もあるようで、そうしたコミュニケーション不足にも、人の気配が感じられるガラスパーテーションが役立つのではないでしょうか。
レイアウト参考:パーテーションの高さ比較
※パーテーションを区切る際に気をつけなければならないのは、天井の配管や排煙措置。思わぬところで余計な出費が出るのを防ぐためにも、専門業者に計画的なレイアウトを行ってもらうのがポイントです。